2009年01月13日

観劇評 NODA MAP「パイパー」



元旦からだいぶ時が経ちましたが、皆さまあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

上のニュースについて。ブッシュ大統領が回想録出版の意向とのこと。それにしてもこの写真を掲載するAFPのセンスがすごい(笑)。

アメリカ大統領は任期終了後は、講演や執筆で食べていくパターンが多いらしいです。聞いた話では国内での講演一回に付き、ギャラが一千万円くらい発生するとか。任期が終わってからのほうが収入が良くなるなんて皮肉を言われるほどです。

「ブッシュ大統領は8年間の在任期間を通じて、たびたびメディアから演説中の言い間違いなどを指摘されている」(上記記事より引用)なんて最後に触れられていますが、日本の麻生首相もそうだけど、言い間違いとか漢字の読み間違いくらいのことでマスコミがとやかく言う必要があるのかしら。

さて。

このところ引っ越しやら出産やらといろいろな出来事が続いて、ろくに舞台を見る暇もなくなっておりました。このブログでも見に行った芝居についての感想をたまに書いていたのですが、ふと気付けば、前回は昨年春の「ライオンキング」のまま止まっているではないか。もちろんその後何回かは芝居を見に行った気がするけど、もはや「気がする」くらいの話ですからね。何を見たのかろくに覚えていない。「グリング」とか見たかなあ…程度のゆる〜い記憶。

「このままではいかん!」と思ったわけではないのですが、先日隙を見て、行ってきましたよ。野田秀樹の新作『パイパー』を見に渋谷の「Bunkamura」へ!独りで……!!!

前売券を持っているわけではないので、狙うは当日券。19時の回の当日券は18時に発売される。だからと言って18時に行ったのでは売り切れている可能性が高いので、一時間前の17時到着を目指して家を出る。このぐらいであれば、本多劇場レベルの人気公演でも問題なく当日券が買えるのだ(たまに他に誰も並ぶ人がいない中、ひとり寂しく先頭に立つこともある。虚しいのう…)。

しかしさすがは野田秀樹。17時ちょいすぎに到着すると、すでに20人程度の人が並んでいるではないか!もしかしたら今回はだめかもなと思いつつ、恐る恐る列の最後尾へ。横の壁には「パイパー当日券お求めの方は階段に沿って一列にお並びください」の張り紙が。どうやら今自分が並んでいるところまでは、毎度列が達しているようだ。ひと安心。

それから小一時間ほど、半分屋外のため、寒風に身をさらして凍み豆腐のようになりながら、小説を読みつつひたすら18時を待った。気づけばわしの後ろにもすでに長い列ができている。皆洟をすすりながら耐えている。芝居は見れたが風邪をひいたという人が、あとあと必ず出てきそうな寒さだ。

そんなこんなで、やっとの思いで当日券を手に入れて見たNODA MAP『パイパー』の観劇評を以下に。もしかしたら初めて、まだ公演が続いているタイミングで記事をアップできるのかしら。いや、めでたい。ただ、公演が続いているわけなので、あんまりネタバレ的なことも書けません。まあ、さらっとまいります。

あらすじ。舞台は文明の崩壊した未来の火星。姉フォボス(宮沢りえ)と妹ダイモス(松たか子)の姉妹は、廃墟同然の「ストア」に住み着き、そこに残った人工食で命をつないでいた。物心ついたダイモスはなぜ火星が荒廃してしまったのか、過去に何があったのかを知りたがるが、フォボスも父親ワタナベ(橋爪功)も、肝心なことは教えようとしない。冒頭、ストアに天才的な頭脳を持つ少年キム(大倉孝二)とその母親(佐藤江梨子)が移り住んでくる。ワタナベはある目的のため、キムに大量の「死者のおはじき」を渡す。火星人の鎖骨に埋め込まれ、死んで取り出されるそれを自分の鎖骨に当てれば、その人が送ってきた一生を見る(感じる、というのが正しいか)ことができるのだ。

死者のおはじきを鎖骨に当て、死者の記憶の海に引きずり込まれていくキムとダイモスたち。そこは、まさにこれから火星を開拓すべく希望に満ちあふれた入植者が地球からやってきた時代。パイパー博士が提唱する幸福度の指数「パイパー値」を「8888」にすることを目指して、人々はせっせと開拓に励む。地球時代の紛争を根絶するため、怒りの力を吸収し、人々を幸福にするための手伝いをする人工生命体「パイパー」も投入され、パイパー値も順調に上がっていく。

死者のおはじきをせっせとかざして、開拓期、隆盛期と、火星の歴史を紐解いていくキムたち。そしてついに、火星の荒廃につながる決定的な事件を目の当たりにする…。

ここからは感想。上でも書いたけど役者は皆さん大物ぞろい。姉妹を演じた宮沢さん・松さんとワタナベの橋爪さん、演技が自然でよい。姉妹の見どころは何といってもラスト前の長回し。途中ちょっとつっかえて見ているほうが冷や冷やするようなところもあったけど、あれは観客を完全につかんだんじゃなかろうか。単純にすごいというのと、「松たか子と宮沢りえは、こんなことができるのか!」と。二人は途中「食堂のおばちゃん(二人の先祖)」の役も果たすが、それもなかなか決まっていた(笑)。それ以外の役については、火星人という設定のためか、無理にキャラクターを作りすぎているような気がした。それが「くどさ」につながった気もする。残念だったのがコンドルズ。彼らが、というより彼らの役回りが残念。さすがに彼らが出演となれば、もうちょっと派手なアクションを見たかったんだがなあというのが正直な気持ち。地味に身体は動かしているんだけどもね…。

さらに不満だったのが舞台美術で、芝居の構成上抽象舞台しか作れないとは思うけど、ちょっと粗雑な感じがパッと見であった。宇宙船とパイパー値のLED表示に大半の舞台予算が行ってしまったのだろうか。確かにあの宇宙船はよかった。降りてくるとき生理的に不気味で、雰囲気が出ていた。衣裳や映像も工夫があってよかった。パイパーは気持ち悪くてGOOD。

内容に関して。いくつかテーマが設定されており、それが「パイパー値」であったり、食に関することであったり、わかりやすい設定と演出で観客に提示される。見ているほうも明確に、「今の日本や社会全体が抱えるこの問題のことが言いたいのだな」と気がつくことができるはず。各テーマはいつの世でも問われ続けている普遍的なものなのだが、そのうちのひとつに関しては、経済的な激変に見舞われ社会が不安定になっている昨今の状況に、あまりにもうまくはまっているのが驚くべきところである。公演が1月にスタートなので、もしかしたら昨年後半からの社会情勢を踏まえて、シナリオや舞台構成をリライトしたのではないかと思うほど。

ただし今回、テーマはわかりやすく「提示」されていたにすぎない。かつての「オイル」の時のような、鬼気迫るほどのトーンで観客の眼前に突き付けるくらいの切っ先の鋭さがあれば、もっとよかったのかなと。

あと思いつく点としては…、野田氏特有の「言葉遊び」。今回も健在で、ぐんぐん会場を引き込んでいたし、わしも笑わせてもらった。よく思いつくよなあ。そして野田さん自身、おいくつなのか分からないけど、カラクリ人形のようによく動いてしゃべって、それで他の役者の演出から裏の調整から何から、全部やるってんだから…本当にすごいと思う。突然「実は機械で動いてます」と言われたら、「ああ、やっぱりそうだったんですね」って皆答えると思うね(笑)

最後に、ワタナベの生き方について。たぶん賛成反対、好き嫌い両方あるのだろうけど、わしは「あると思います」。「食い道楽の歴史」を研究してきた者としての矜持と意志が、そこには感じられるので。これもかなりストーリーの核心なので、多くは語りませんが。

とまあ、見ていない人には何が何だかわからないような記述だらけになってしまい、大変恐縮です。千秋楽までまだ時間もありますので、もしよかったら足を運んでみてくださいな。それではまた。


NODA MAP 第14回公演『パイパー』
2009年1月14日〜2月28日
渋谷 Bunkamura シアターコクーン

作・演出 野田秀樹

キャスト

松たか子
宮沢りえ
橋爪功
大倉孝二
北村有起哉
小松和重
田中哲司
佐藤江梨子
コンドルズ(近藤良平 藤田善宏 山本光二郎 鎌倉道彦 橋爪利博 オクダサトシ)
野田秀樹


スタッフ(一部)

美術 堀尾幸男
照明 小川幾雄
衣装 ひびのこづえ
選曲・効果 高都幸男
振付 近藤良平
映像 奥 秀太郎
ヘアメイク 宮森隆行
舞台監督 瀬崎将孝
プロデューサー 鈴木弘之
posted by サイダー at 00:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
■長澤まさみの問題映像!静岡のラブホで・・・【衝撃映像】




http://nagasawamasami-hotel.blogspot.com/


業界騒然!!!
    ナイスポでも掲載された怒号のDVD入手!



http://nagasawamasami-hotel.blogspot.com/



誰もが目を疑うだろう衝撃の映像!! ありえないほど似ている。
コレは本人か。誰かのいたずらか。  




 果たして真相は・・・。
Posted by ■長澤まさみの問題映像!静岡のラブホで・・・【衝撃映像】 at 2009年02月28日 18:24
小林麻耶 は め撮 り悶 絶映 像【流 出動 画】


激.しく手マ.ンされ、あの猫なで声で喘.ぐ麻耶ちゃん。



http://qmaya159.blogspot.com/




それだけでイ.ケそうなのに、その後、ハ.メちゃってさらに喘.ぎまくりです。



http://qmaya159.blogspot.com/
Posted by 小林麻耶 は め撮 り悶 絶映 像【流 出動 画】 at 2009年03月01日 11:00
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。