2009年02月04日

家電についての雑感


2月になりました。わしの周りでは病気で次々と人が倒れていっています。皆さんは大丈夫でしょうか?中国ではこの時期、毎年地味に鳥インフルエンザで人が死んでおり、距離的に近い九州地方なんかも「鳥→鳥→人感染」が起こり得るんじゃないかと、ひそかに心配しているわたくしでございます。

上のニュースについて。大手メーカーの第三四半期決算と通期見通し発表が集中する昨今。日立製作所のみならず、東芝やNECも赤字転落、パナソニックも赤字見通しと、大手電機メーカーは非常に厳しい状況に追い込まれている。今回のテーマは、そんな苦境の各社とも関係の深い家電について。

最近テレビを見ていると、やたらと家電がテーマの番組が多い。「家電芸人」などのキャラ付けまでして、こだわりを語ったり、量販店を巡ってみたり。以前、放送作家の鈴木おさむ氏(森三中のうちの一人と結婚して『ブスの瞳に恋してる』を書いた人、といったほうがわかるでしょうか)がAERAの連載コラム中で、「『アメトーーク』でやった家電トークの視聴率がことのほか良く、こぞって他局も『うちも家電モノができないか』と動き始めている。これからどんどん家電を扱う番組が増えていくだろう。絶えず視聴率を気にして、良いネタがあればそれに便乗するのはテレビの特性である」という趣旨のことを書いていたが、まあそのとおりになった。

テレビ局も不況の煽りを受けて広告収入が低下し、赤字に転落する局も出ている。番組制作費がどんどんカットされていく中で、視聴率が取れるか分からない冒険的な試みをするよりは、「成功例」に乗っかるほうが良い。そして番組で家電を扱うということであれば、それを見る視聴者も家電に興味があるということになるので、メーカーや量販店から広告を引っ張りやすくなるという算段もしているのでしょうね。「番組内で御社の商品を強調して取り上げるので、つきましては…」というバーター交渉も行われているかもしれない。

端的に言うと、そこまでやらないと広告費を引っ張り出せないくらい、大手の家電メーカーが疲弊しているということ。ニュース番組では「赤字と消費低迷に苦しむ大手家電メーカー」と報じられつつ、バラエティ番組では「このメーカーのこの家電が熱い!」と打ち出していくという、ちぐはぐな状況が今後しばらく続くことでしょう。

引越しをしてみて思ったことですが、日本は本当にたくさんの優良電機メーカーがひしめいていると思います。新居に合わせていろいろと家電を新調し、改めて室内を見渡してみれば、冷蔵庫はシャープ、エアコンは日立、テレビと炊飯器は東芝、DVDプレーヤーはパイオニア、照明と食洗乾燥機はパナソニック、空気清浄機はダイキン、パソコンは富士通、プリンタはキヤノン、音響機器がソニー、洗濯乾燥機が三洋…という具合に、ほとんどメーカーがかぶってないことに気付く。

別に意図してばらしているわけではなく、量販店に行って「これが良いな」と思う商品をただ買っているだけなのに、こんなことになっている。しかもそれぞれの商品で断トツのナンバーワン企業があるというわけではなくて、毎度複数のメーカーが候補に挙がっては、長所短所いろいろ悩んだ末に「かろうじて」の差でお買い上げになったり、ならなかったりしている。

そのこと自体はまさに技術大国ニッポンのすごさを感じさせるものではあるが、さすがにもう限界がきているような気がする。電機の分野では日本よりも後発の韓国は、世界に通用するメーカーでは三星、現代、LGくらいしかないと思いますが、得意分野に注力し、それぞれが世界シェアトップクラスの事業を持っている。かたや、高い技術を持ちながら必ずしも圧倒的な分野を持つ企業ばかりではないのが日本。それゆえに量販店など流通サイドとの力関係上、どうしても弱い立場に立たされてしまいやすく、こういう不景気になると一気に苦境に立たされる。最近では特に流通側の再編が進んで、さらに価格交渉力が強まっている現状もあります。

パナソニックが三洋電機を買収するという話は大きく取りざたされましたが、これはいわば、いずれ日本のメーカーが通らなければならない道に、ついに差し掛かったのだと思います。工場や人員を整理しなければならないほどの逆境の中にあって、いかに「攻め」のためにカネを張っていけるか、生き残りを賭けて、経営者には非常に厳しい決断が迫られているのではないでしょうか。
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2008年01月11日

親元を離れるパナソニック

本年もよろしくお願いいたします。
皆様にとって良い年になりますよう。

松下電器産業が社名を「パナソニック」に変更し、さらにブランド名も「パナソニック」に統一、「ナショナル」は廃止すると決定をしたというニュースが、大きく報じられました。社名の変更は定款の変更に当たるため、株主総会の決議を経て、正式に決まるようです。

創業者一族の名を冠した社名を変えるのは、並大抵のことではないと思います。それでもブランド力のある「パナソニック」に資源を集中投下していくということらしい。

ただ、個人的には少し悲しくもあって。

松下もナショナルも、日本国内では十分に通用し、愛されていた社名でありブランド。特にナショナルは、パナソニックより歴史も古い。高度経済成長期に身をおいて、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が「三種の神器」と呼ばれていた時代の人たちにとってみれば、むしろナショナルの方が親しみのもてるブランド名だったりもしますよね。その人たちや、ナショナル製品を頑張って作り続けてきた社員たちの気持ちになってみると、ちょっとだけさびしいものがあります。

けれど、今の松下には、日本を構っている暇はない。仕方ないけれど、日本よりもずっと大切な市場がある。当然、欧米のことなのですが。

大画面テレビという分野が顕著ですが、日本国内は大手メーカーがひしめき合い、血みどろの値下げ合戦。40インチがあっという間に20万円を切るか切らないかというラインにまで落ち込んでいる。もはや十分な利益が見込めない。また狭い日本より、欧米の方が利益の高い超大型テレビが売れやすいこともあるでしょう。

そんな欧米では、やはりブランド名「パナソニック」が先行している。欧米攻略のためにはそこに資源の集中をすべき、だから社名を変えましょうという話。海外に向けて本気で戦っていく姿勢の打ち出し方としては、かなりの好感が持てますよね。

親元を離れ、日本も離れていくパナソニックの今後に注目です。

それにしてもかわいそうなのはグループの松下電工。「パナソニック電工」って、そりゃ、ないよねえ…。
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2007年12月21日

かつての名作は今も名作であり続けるのだろうか

ご無沙汰しております。大麻、散弾銃、霊感商法、和牛商法…。年末まで世の中騒がしいですな。散弾銃と聞くと、必ず「バイオ・ハザード」を連想してしまうのはなぜだろう(しかもジル)。そして、テレビは霊感商法は叩くのに、どうして細木数子や江原啓之には何も突っ込まないのだろう。

そして別に年末にも事件にも何にも関係ないのですが、今回は「ファイナル・ファンタジーW」について書こうかと。まったく世間とは関係のない、言わば表現の引きこもりなわけですが、今さらながら、とても素晴らしいゲームだったなあと。

あのゲームが出たのは、たしか俺が小学校低学年の頃だったような。その頃すでに「ファイナル・ファンタジー」シリーズは大ヒット作で、生みの親の坂口博信という人も脚光を浴びていた気がする。Wは初めてスーパー・ファミコン(懐かしい…16ビット…)で登場したのだね。

戦闘には「アクティブ・タイム・バトル」という方式を導入して、何もしないとどんどん敵が攻撃してくるので、おちおちトイレにもいけないというあの緊張感(膀胱の)。各キャラにちゃんと特性があって、できること・できないことが明確に決まっているのも良い。続編のXもYもZも、キャラの姿かたちこそ違えど、全員どうにでも育てられ、属人的なスキルもほとんどなく、戦闘の上での個性がなくなってしまうのが興ざめであった。

そんなゲームシステムのことを差し置いても、何よりも素晴らしいのがあのストーリーね。プレイしていて心が痛む。国語の教科書に載せたい。少なくともスイミーを読んでいる場合じゃない。

登場人物にカインという青年が出てくるのですが、この人の描かれ方がすごい。主人公セシルの親友として共に戦う騎士カイン。彼は悪役のゴルベーザの魔術により心を操られ、たびたび主人公たちを裏切り、敵の元へと走ってしまう。にもかかわらず最後には主人公たちと合流し、ラスボスを倒すための旅に出る。そしてセシルの恋人ローザのことを実は密かに思い続けているカイン。結局彼の思いは最後まで表に出る事はなく、二人の愛が深まるのをじっと見ていることしかできない。

度々の裏切りで仲間からは完全に信用をしてもらえないであろう辛さと、秘めた恋心を打ち明けられない辛さに耐えて耐えて、それでも必死で主人公を助けるカインの姿を想像するにつけ、「これは人間の悲哀がこめられたゲームだ」と痛感させられましたね。小学校の時分でも。しかも、ゲームのタイトルロゴのバックには、毎回何らかのイラストが入っているんですが、Wではそれが横を向いたカインの姿なんですよ。それがとても印象深くて、「このゲームの本当の主人公はカインなんだろうなあ」と思ったりしたもんです。

あれほどキャラクターについて考えさせられたゲームは、ついぞありませんでしたね。「のめりこんだ」という意味では例外として「かまいたちの夜」という超名作ゲームがありますがね。大学受験勉強を機にプレステを卒業して以降、最近までろくにゲームなんかやってませんけど、最近はどうなんでしょうか。画とか音の綺麗さばかり追求しているのかな。分からないけど。

ちまたではニンテンドーDSが売れに売れておりますが、任天堂もすごい舵の切り方をしましたですわね。ターゲットを思い切って中高年に設定し、家計簿だか脳のトレーニングだか知らないが、ろくにゲームとは言えないようなシロモノを見事に価値化しましたからね。あんなソフトに開発費も何もないわけで、安く売ってもすぐに元が取れる。

これまでゲームというのは、莫大な時間とカネと人材を注ぎ込んで、長期的にコストを回収するビジネスだった。これはさっき言った「ファイナル・ファンタジー」なんかが代表だわな。任天堂は「安い・早い・うまい」じゃないけど、コストをかけずに矢継ぎ早に商品を生み出し、短期間でそれを回収する。要はビジネスモデルの変換をしたわけだ。お見事ですな。

数年前に任天堂の株をたくさん持っていた人は、今株価が何倍にもなって、莫大な含み益を手中にしているそうで。それこそゲームの結末のような話。
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2007年10月25日

家より高い、空のイス

ANAが導入していた「スーパーシートプレミアム」が、「プレミアムクラス」と名前を変えてサービスを刷新するそうです(なんか格下げされたように聞こえるけど)。

座席の前後幅をさらに広げる、機内食を充実させる、優先搭乗を行う、などなどがサービスの内容だそうです。でもって普通運賃よりも6000円から7000円くらい高くなるとのこと。JALが国内線でファーストクラスを打ち出すのに対抗するというふうに新聞では書かれております。

人口も徐々に減ってきているし、飛行機の座席にも余剰がもっと出てくる。虚しく空気を運ぶよりは、余分な座席を潰して付加価値をつけた方が良いという、ある意味の投資ですわな。

個人的には、ファーストクラスはもちろん、一度もビジネスクラスというか「ちょっと良い席」に乗った事がないので、そういう席のよさがわかりませぬ。JALの「クラスJ」なんかはプラス1000円でお手ごろな気がすごくするけど、それとて利用した事がないです。というのも、飛行機に乗る機会って東京〜大阪がほとんどで、一時間足らずで到着してしまう。別に小一時間窮屈な思いをしても良いし、そもそもそれほど窮屈とも感じないしね。

飛行機に乗るときはいつも、機体後方の席の通路側を選んでおります。機体にもよるけど後ろは通路が少しゆったりしていて、そこにぽーんと足を投げ出しておけるので、楽でよいですよ。

しかし今回の「プレミアムクラス」で驚いたのが、300万円払えば年間何度でも「プレミアムクラス」が利用できる「プレミアムパス」というサービス。仮に12ヶ月で割ると、一月あたり25万円。世の中の家賃より高いではないですか…。社長さんたち以外でどんな人が利用するのだろう。

まあどんなサービスが出てこようと、完全に俺はJALマイラーですからな。ANAに乗る気は起こりませんな。マイルの障壁を乗り越えさせるサービスを考え出したら、間違いなくノーベル賞モノですわね。
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2007年07月11日

敢えてスティール・パートナーズの側に立ってみる

蒸し蒸しする天気が続きますね。いやだいやだ。家の中にも熱気がこもって、何を触ってもなんとなく「湿っている…」と感じてしまう、そんな今日この頃。梅雨はいつ明けるのでしょうかね。

最近パリス・ヒルトンやらビリー教官くらいメディアに露出している「洋モノ」と言えば、やはり「スティール」でしょうね。数年前から金儲けのために日本の企業に食指を伸ばし始め、明星食品やサッポロHDなどのTOBで一躍有名になりました。

そんなスティールが最近苦境に立たされている。老舗ソース会社・ブルドックソースにTOBを仕掛けたところ、経営陣が株主総会で敵対的買収者に対する防衛策の導入を提案し、3分の2超の賛成で決議。防衛策の差し止めを裁判所に請求するも、東京地裁はつれなく棄却。高裁に抗告するも、これも今月9日あえなく棄却。で、11日を向かえ、買収防衛策であるところの新株予約権の効力が発生してしまったという話。

新株予約権についてかいつまんで言うと、株主は1株につき3株、新しくブルドック株を取得する権利を与えられる。権利の発動により一気に4株の持ち主になるというわけだが、発行済み株式数が増える分、理論的には価値も4分の1に薄まり損得はないという。ただ敵対的買収者であるスティールだけは例外的な扱いを受け、なんと新株予約権を与えられるもののその権利はブルドックが強制的に買い取り、対価として23億円が支払われることになる。回りの株主が軒並み4倍の株数になる中で、スティールだけは株数が変わらない。ここが防衛策としての肝の部分である。結果、防衛策発動前に10%超あったスティールの持ち株シェアは、発動後には3%弱にまで下がるのだとか。

11日防衛策発動ということで、9日の東京高裁の決定が一つのヤマ場と見られていましたが、結果はブルドック側の勝利。これまでも、あまり良い印象で報道露出しておらず、代表の外見が気持ち悪いなんてことまで言われていたスティールなので、世の大半は「良い気味だ」くらいに感じているかもしれません。

しかし冷静に考えてみると、東京高裁の決定はおかしい部分がある。弱い者の味方と言うわけではないですが、この件に関しては、スティールの肩を持ちたいと思えるのです。

一つには、東京高裁は「スティールは『濫用的買収者』だから新株予約権について、他の株主と差別的な扱いをしても良い」と言っている。じゃあ「濫用的買収者」は何かと言うと、単純に言うと、経営に関与する意思がなく、短期的な自己の利益ばかりを追求する目的で企業を買収しようとする者なのだという。

はっきり言ってしまうと、この決定を下した裁判官は株式会社をまるで理解していないのでは、と思ってしまう。自ら経営をする時間とノウハウを持たない会社の所有者が、経営権を取締役会に委ねる「所有と経営の分離」こそが、株式会社の真髄だったはず。「所有者=経営者」を求めるならば、それは合名会社の役割では。さらに言えばそもそも株式とは、利益ばかり追い求める人たちから、広く資金を集めるための道具だったはず。利益の追求を否定してしまったら、いったい株式会社である意味は、どこにあるのだろうか。

もう一つ、「濫用的買収者」の判断方法がすごい。ブルドックの件で「濫用的」と認められる事実を挙げるのではなくて、これまでのスティールの事業活動を見て「濫用的」と判断している。こういう認定方法って、ありなのだろうか。「あいつは昔万引きしたから、この件でもきっと万引きしているはず」とか、そんなレベルにしか思えない。

別にこの件でスティールがどうなろうと、あんまり興味はないのですが、日本の株式市場に与える影響が非常に気になります。これが「前例」となって、容易に買収防衛策が発動されることになれば、海外の金融機関やファンドは日本には魅力がないと思って、大きな投資をしなくなるでしょうね。せっかく業績が上向いてきている日本企業にとっては、マイナスかもしれない。

裁判所ですらかくの如し。日本市場が孤立してしまう前に、もう一度株式会社とは何なのか、改めて考え直したほうが良いのではないでしょうか。
posted by サイダー at 21:52| Comment(4) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月04日

バブルはもう一度炸裂するのか

都心の不動産が凄いことになっています。今年に入って東京ミッドタウンがオープンし、新丸ビルがオープンし、このあとも八重洲、赤坂と再開発物件の完成が続く。主に用途はオフィスビルですが、大手不動産は強気にオフィス賃料を一斉値上げしました。またマンションの価格も、23区内では平均分譲価格が5000〜6000万円だそうで。年収600万円の一般的なサラリーマンが払っていけるラインすれすれという話もあります。

これらの土地はもともと、バブル後にある程度地価が下落したあたりで仕入れたはずの用地で、やろうと思えば、もうちょっと安く売ったり貸したりする余裕はあるはず。それでも地価が上がり調子(=需要が増大しているということ)なので、強気な価格設定をしているということでしょう。そんなわけで大手不動産会社は軒並み過去最高益を更新。この世の春を謳歌しています。

この状況を見て、「バブルの再来」という報道論調が増えてきたように思います。少し前は、かつての土地を転がし続けただけで実体のない不動産取引とは違い、しっかりと需要に見合うだけの付加価値をつけたまともな取引の結果として、現在の地価高騰があるのだという報道もあったように思います。果たしてどうか。

確かにバブル崩壊後、不動産各社はもう過ちを繰り返すまいと、土地に付加価値をつけることに腐心していたのだと思います。そしてオフィスも住宅も、今よりだいぶ安かったから、需要と供給が均衡した。ただ、その需給均衡が今後も保たれるか、かなり疑問です。

最近では行き先を失った国内外のカネが大量にREITに流れ込んでいます。今はREITが物件の受け入れ先として機能してくれているわけですが、果たしてそれが続くかどうか。REITに資金が集まらなくなったらどうなるか。受け入れ先のない不動産が大量に発生する。バブルと同じことです。

では、REITからカネが流れていくという懸念が当たるのか。平たく言えばREITも株式と同じですから、配当が下がれば金融商品としての魅力が下がり、カネは逃げていく。そして現在、金利は上昇傾向です。金利が上がればREITの資金繰りの難易度が増しますから、配当も下がるかもしれません。さらに現在、金融庁も過熱感を危険視して、監督を強化することも検討すると言っています。これはREITにカネが集まり過ぎないように、何らかの形で規制をかけると言っているに等しい。

こういうことになると、不動産の買い手側も当然警戒します。家を買おうとしているサラリーマンでも、オフィスを借りようとしている企業でも、ただでさえ金利が上がって買い(借り)にくくなっているのに、REITが不振ということが耳に入ると、「これは価格が下がるかもしれない」と考え、待ちの姿勢に入ります。売りが立たなくなり、じわじわ価格が下がるか、それともある日突然REITが暴落して、バブルの再来のように一斉に下がるか、それは分かりませんが。

まあ俺自身は不動産を買うカネもないので傍観するしかありませんが、価格下落の境目は、もうすぐそこまで来ているような気がしています。誰が最後に高値でババを掴まされることになるのでしょうか。
posted by サイダー at 23:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月16日

ANA胴体着陸 ― JALはスケープゴートにされ続けるのか

3月13日の午前中、ANAの航空機が高知空港に胴体着陸した。機体の故障により前輪が出なかったことが原因である。異常に気付いた機長は二時間近く空港上空を旋回するも、胴体着陸の指示が出て結局これを実行。滑走路との摩擦により機体から一部出火するも、胴体着陸は見事成功。乗客乗員合わせて約60人、全員無事。最悪の事態が想定されたトラブルだったが、人命は失われずに済んだ。

国内のマスコミはこぞってこの事件を報道。キー局ではほとんどが胴体着陸の瞬間を生中継。一般紙五紙も夕刊一面にこのニュースを持ってきた。この論調がかなり興味深い。

まあ全員無事だったから良かったのだが、見出しには各紙大きく「60人全員無事」との言葉が並んだ。社会面では事件当時の機内の様子のほか、冷静に胴体着陸を成功させた機長への賛辞なども散見される。「理想的な胴体着陸」「混乱起きず」「拍手の乗客」「歓声上がる」などなど。

そしてその日以降、この事件の焦点とされたのは、ANAではなく機体を製造しているカナダの航空機メーカー・ボンバルディア社であった。まずは、なぜこの機体の前輪が出てこなかったのかという原因の究明。次いで同社が作った「DHC-400型」という機体が、過去同様の事件をどのくらい引き起こしていたのか。そして、同社の安全管理体制はどうだったのか、という具合に、論点が推移している。

ふと考えてみる。以前JALで様々な不祥事が問題となった時期があった。着陸時に機体の後ろを滑走路にぶつけてしまった事故。部品の一部が機体から剥落した事故は何回もあった。それら一連の不祥事の結果として、JALのイメージは地に堕ちてしまった。それを象徴していたのが、テレビで「もうJALには乗らない」とコメントする一般人の姿であろう。株価もじりじりと下がり始めた。挙句の果ては、JALの経営悪化が報じられた際、原因の一つとして一連の不祥事の影響が挙げられた(客離れがないとも言えないが、冷静に考えて、古い機体を使用しているための整備コスト高と原油高がメインの理由であろう)。

かたや今回の事件である。13日以降、ANAへの糾弾はあっただろうか。ないに等しい。社長が頭を下げさせられた程度である。それよりむしろ、火の手が上がっているのはボンバルディアである。解せないのは、どうしてJALの場合には機体メーカーが責められず、今回は責められているのかということである。国内航空会社最大手のJALといえど、さすがに自社で航空機は製造していない。にもかかわらず、JALの時は「日航機」が槍玉に上げられた。しかし今回は「ボンバル機」。なぜだろう。

JALの一連の事件も今回も、人命は失われなかった。ただ、違う点もある。まず不祥事の頻度が違う。JALの場合、昨年の3月頭に一発事件を起こして以降、数日に一度のペースで小さな事件が新聞紙面を飾り始めた。そして不祥事の種類が違う。機体の不具合が最も多いのだが、他にも管制官を無視しての操縦や、機長室内でふざけて写真撮影など、従業員の質の問題も混ざっていた。

こうしてみると事件の内容や展開が違うので一概には言えないが、どうもJALはある種の意図を持って、叩かれていたような気がする。結局世の中の関心は「安全な航行」である。それに最も関与する話題が「機体の不具合」の問題である。両社とも(メインの)事件は機体の不具合である。しかしANAは「ボンバル機」、JALは「日航機」と差が出ている。そしてJALは他にも不祥事を次々と挙げられ、イメージも株価も落ちている。という話の差が、そう思える理由である。

もちろんどこの誰の狙いなのかはまったくわからない。ただ、今回のANAの件があまり大きくならないのも、その意図につながっている気がしている。ANAを思い切り叩けば、「航空業界全体がたるんでいる」ということになり、JALへの批判の矛先が弱まってしまう。逆に言えばJALのイメージを悪く保っておくために、今回の論調が形成されている、ということだ。

以上はすべて妄想である(笑)。今までも色々妄想で記事を書いているが、今回の妄想はかなり無理があるかもしれない…。心のどこかで、この報道論調形成がANAの実力からかも知れないとも思うのである。

胴体着陸を決行した当日、ANAの株はほとんど値を変えなかった(終値はちょっと下げたが、日経平均も下がっている)。事件発生で下げてその後戻したのではなく、終始小揺るぎもしないのである。午前中の事件であるにもかかわらず、相場は冷静そのものだった…。もちろん事件との因果関係は定かではない。定かではないが、もしも「ANAなら大丈夫」と、市場=たくさんの投資家たちから信頼されていたためなのだとしたら。…この企業、ホンモノである。
posted by サイダー at 21:52| Comment(5) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月07日

人生で一番新聞が面白かった日C

えー、このシリーズもいよいよ佳境。最後は名古屋地下鉄をめぐるゼネコンの独禁法違反事件。@でも述べたが、大手・中堅どころの4社が告訴されている中で、ハザマという会社だけがそれを逃れた。ポイントは課徴金減免制度(リニエンシー制度)。要は司法取引である。

仕組みは至って簡単。独禁法に違反する談合などの行為に加担した当事者のうち、公取委の立ち入り検査前に最初に自分から「私がやりました。マジでごめんなさい」と謝って情報提供した者は、公取委に課される課徴金の負担額がゼロになる。その上、刑事制裁も免除されるのだ。そういう逃げ道を用意してあげることによって、悪事の発覚を容易にする事が狙いである。ちなみに、二番目に白状した会社、三番目に白状した会社にも、課徴金減額という恩恵がある。
この制度、2006年の独禁法の改正によって、ついこの間導入されたばかり。この間は「異例の出来事で」なんて書いたが、異例も何も、ハザマがこの制度を利用した最初の企業だったのである。

日経新聞などは、「関係者の逮捕のほか、罰金や課徴金も免除されることになり、長年固い結束を誇ってきたとされるゼネコン業界に大きな波紋を投げかけそうだ」と報じ、一定の効果を認めている。

この制度、導入に当たってはいろいろ議論があったそうな。経済界からは、「日本の文化・企業風土に似合わない」というナゾの理由で、導入に難色を示す意見が出されていた。企業風土って…。業界が仲良し子よしで波風立てないでやっていきましょうね、というようなのが望ましいという話だろうか。ちなみに公取委は「外国で日本企業がリニエンシー制度を申請している例もあるし、そんなこともないでしょ」などの理屈でかわしている。

3月2日付の読売社説(28日でなくて恐縮です)では、「一部のゼネコン関係者はハザマを「抜け駆け」と非難しているが、談合という犯罪行為に加担しておいて、何をか言わんやだ」と一刀両断。このへんは市民感覚として気持ち良い。どうやらマスコミには一定の評価を得ているようである。

法改正によって、談合には常に仲間内の抜け駆けリスクが付きまとうことになった。ゼネコンでさえ結束に揺らぎが見えたのだから、これは他の業界にも十二分の脅威を与えると見てよいだろう。

先の経済界の反応のように、談合・癒着が悪い悪いとは言いつつも、どこかでそういうものを認めてきたのが日本経済である。今回の件は、そんな日本的な体質が今後変わっていくための、小さくて大きな一歩なのではないかと、直感的に思ったのであった。

一連のシリーズはこれでおしまいです。最後の記事は何のひねりもありませんでしたが(笑)
またよろしくどうぞ。
posted by サイダー at 20:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月01日

人生で一番新聞が面白かった日@

2007年2月28日の新聞一般紙は、朝刊夕刊とも歴史に残る面白さである。これまで生きてきて、今日ほど新聞を面白いと思いながら読んだことはないのかもしれない。

とにかくいろんな事があった日である。朝刊から見ていこう。日経新聞は一面で、日興コーディアルの東証上場廃止を、確定的な表現で記述し、スクープ扱いに。読売・毎日・産経は、一面で、君が代伴奏拒否問題の最高裁判決を取り上げている。各紙の論調の違いが面白い。そして朝日。当然君が代問題を一面に持ってくるかと思いきや、旧日本軍領の朝鮮で、朝鮮軍司令官だった宇都宮大将の日記などが「見つかった」という独占スクープ(当たり前だが…)。

夕刊も面白い。日経平均株価が大暴落したという昼間の出来事を各紙報じている。読売は中国バブルの警戒にスポットを当てている。そして名古屋地下鉄の独禁法違反刑事事件も、同様に各誌が報じている。ハザマという中堅ゼネコンがリニエンシー制度を使って、一社だけ告発を逃れたという点、異例の出来事で、注目に値する。

どれもこれも書きたいネタなので、しばらくはこのへんのネタでつないでいこうかと(笑)。ひとつよろしくです。

まずは日興の話。

日経新聞が朝刊一面スクープしたにもかかわらず、夕刊で後追いしたのが東京新聞だけというのが何とも面白い。他紙は断定には消極的だ。これで上場廃止じゃなかったら、スクープだと信じ込んだ記者と、一面掲載を決定したデスクはどうなるのだろうか。

と言いつつ、個人的には日興は上場廃止でまず間違いないだろうと思っていた。ライブドアが上場廃止になっておきながら、日興がならないというのもおかしい。これが一点。そして上場廃止の後を見据えてか、周辺がかなり騒がしいというのがもう一点。きっかけは少し前の新聞。アメリカのシティ・グループが、日本での事業展開拡大を睨み、東証の上場を考えているという報道があった。

シティ・グループは日興グループと、日興シティグループ証券をはじめかなり手厚い提携関係を結んでいる。ここでシティが日本で上場となると、日興の上場廃止はそこまで痛手ではなくなる。それどころか、むしろシティにとっては大変おいしい話である。

上場廃止が決まれば、日興は廃止までの期間整理ポストに入り、東証管理下で株取引がされることになる。廃止になるのでかなりの安値で売られることになる。そして廃止になってしまえば残る株主はごく少数。手続き的にも、必要資金的にも、上場会社を子会社化するよりもよほどすんなりと進むだろう。

そしてその後、親会社となったシティは東証に上場する。日本で資金集めができるようになる上、すでに日興が持っている広範な販売経路を用いて、自分の商売ができるというわけだ。日興も、シティの力を借りて市場から資金を得られる上、シティ・ブランドの傘下で営業を続けられる。シティも完全に自分の手で日本での商品販売をするわけにもいかないだろうから、結局は日興社員が仕事をすることになる。双方とも、なんともおいしい話ではないか。

というのが大まかな見立てである。もちろんかなり妄想で書いているのだが。信用はこういうシティのやり口というか、外資系金融の戦略というのは、本当に抜け目ないなと戦慄させられる。ただ、不確定要素として、日興の救い手にみずほグループが名乗りを挙げていることがある。日本企業がみすみす外資系の食い物にされてしまうのも何とも忍びない。個人的には、何とかみずほに頑張っていただきたいところだが、果たしてどうなるか。
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2006年09月20日

イケアとコストコ

南船橋に日本発上陸して以来、日本では珍しい大胆な販売方法で世間の注目を集めてきた嗅ぐ量販店「イケア」。ついにこの9月、神奈川県港南にも二号店をオープンさせました。自分の周囲であまりにも話題になっていたので、俺も先日南船橋店に行ってきました。

休日だったのですが、人の入りはそこまで多くない。広い店内がお客でごった返す画を想像していたので、少し安心しました。お客は決められたルートに沿って商品の購入をすることになります。ベッドのゾーン、ソファのゾーンなど、ジャンルごとに商品がディスプレイされているかと思えば、「○○のコンセプトの部屋」というようにショールーム感覚で一式の家具が調えられているゾーンも。とにかく広い店内を、かなりの時間をかけてみて回ることになります。しかし値段がとにかく安い。調度品の誂えはいたってシンプルなのですが、それにしてもこの安さは、おそらくたいていの人の想像を超えています。

しかし、例え気に入ったものが見つかっても、まだここでは買えません。まずお客がすべきことは、メモ。商品にはそれぞれ商品名と二種類の数字が書かれたタグが付いています。それを店内随所に置かれている、専用のメモ用紙に書き取ります。これが後々重要になってくるんですな。

さてかなりの時間をかけて「物色ゾーン」を見て回った後は、いよいよお買い物。店内地下に移動します。牛か豚でも運ぶのかと思ってしまうような巨大な買い物カートを押しながら、目当ての商品をピックアップしていきます。入口付近には家具以外の日用雑貨なんかが売られていますが、こちらの品々もあいかわらず値段が安い。ついついカートに放り込んで、油断しているととんでもない量の買い物をしてしまいそうです。

しかし圧巻なのはここから。雑貨やらのゾーンが終了すると、目の前に広がるのは巨大な、あまりにも巨大な倉庫。なんと例えたものか、巨人の図書館の中という感じでしょうか。ガンダムとかがバラして格納されてそうな気もします。それぞれの棚に「○列○番」という感じで数字が振ってあって、商品が一種類ずつ置いてあります。物色ゾーンでひたすらメモっていたのはすべてこのため。あとは目当ての商品が置いてある棚を目指して、ばりばりカートを推し進めるのみです。しかし商品の置き方がすごい。棚はだいたい上に四段くらい積みあがっています。一番下の段からお客は商品をピックアップするのですが、天井に程近いところまで積み上げられて入る在庫を見ていると、「今仮に地震があったらとんでもない死に方をするんじゃないか」なんて、本気で思えてきますよ。だって全部机とか箪笥とかが頭上から降ってくるわけですから。なかなかハードコアでしょ。

目当ての品を積み込んだら、あとはレジへゴー。首尾よく会計を済ませたら、自家用車で来た人は駐車場まで巨大カートを押しながらクルマに積み込み作業。その他の交通手段か何かで来たお客は、ほぼ間違いなく人力では運べませんから、配送カウンターで配送を頼みます。これがまた並ぶんですわ。行列に若干のストレスを感じると、最後は配送料の高さでとどめ。東京までは五千円ほど。ちょっと高いと思いませんか?俺の場合は一番高い買い物がこの配送であったというオチで、最後の最後になんだか串刺しにされたような気持ちでしたね。

また行くかと言われたら、正直迷うところです。クルマ持ってないと、きついかなあ。

イケアに行ったのとは別の日ですが、「コストコ」という欧米から進出してきたスーパーにも行ってきました。俺が行ったのは福岡なんですけど、他にも何店舗かあるようですね。入ってみるとイケアでも見たおなじみの巨大カート。そしてガンダム格納庫。食料品や日用雑貨、衣類、ちょっとした家具まで、巨大な倉庫の中にはホントにいろんな物がそろっています。しかも売ってる単位が皆アメリカンサイズ。あれほど大きなポテトチップスを生まれてこの方見たことも無かったし、卵を一パック60個で売られても困る。

しかしモノは安い、安いです。店の一画では店頭販売が威勢よく行われていたり、ローストしたての肉や出来立てパエリアなんかも続々並んだりして、見ていて楽しかったです。野菜や果物は冷房の良く効いた一画に並んでいましたが、マグロの冷凍倉庫もびっくりの寒さ。冷房もアメリカンだねえ。風邪引くだろ。

レジを出たところに、コストコの入会案内について書かれていました。実は年会費を4千円くらい取っている、会員制のお店なんですね。業態から言って会員制にする必要は全く無いと思いますが、おそらくはここが重要な収入源なんでしょうね。お客からすればチラシなどを見て安いのは分かっているし、年会費を払っても元は取れる意識でいるでしょうから、ぽんと払ってしまうのだと思います。

イケアとコストコという、欧米殴り込み系の二つの店舗ですが、やはり見事にビジネスが似ています。巨大な箱を郊外に作る。売り場=在庫置き場。陳列は無骨。安さで勝負。巨大なカートで回らせる。店内に店員が少ない。徹底的なコスト削減、低価格戦略。ここまで潔いのは立派です。最後に、面白いなと思ったこと。どちらの店も、広い店内を回ったゴール地点に、ちょうど良い具合にカフェテリアが。疲れたお客が次々と、飲み物と軽い食事を求めて吸い込まれていくのを見て、思わず「うまいな」と呟いてしまいました。ここも、貴重な収入源なのですね。
posted by サイダー at 23:38| Comment(6) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月31日

近況と所感

こんにちは。最後に更新をしてからもう数ヶ月経っております。年も越しちゃったし。数人から更新してほしいと言われ、「まあ書いてもいいか」という気分になりましたので、久々に。

世の中では、いろいろな事が起こりすぎている。

ライブドアの事件。それはいいとして。

例えば今、ヒューザー・木村建設・総合経営研究所のマンション耐震強度偽装問題に注目をしている人はどれほどいるでしょうか。もう終わってしまったかのような気持ちすらしているかもしれない。郵政民営化はどうでしょうか? イラク問題は?

今や事件も、大衆に消費されていますね。

そこにはやはり、テレビという大きな存在がある。テレビがわっと取り上げると、大衆も盛り上がる。テレビが一通り画を取り終えて去ってしまえば、もはや何か終わってしまったような気になってしまう…

メイド喫茶、電車男、恋のマイアヒ、生協の白石さん。テレビが取り上げなければ、地味ながらも長いこと愛されていたことでしょう。テレビに出る、ということには、それなりの覚悟が必要なようです。ギター侍やハードゲイもそういう意味では同じ。消費されてしまいました。恐ろしいメディアです。

さてライブドア。

この事件を見ていて、「この国を動かすのは俺たちメディアだ」というマスコミの執念を感じました。数年来ずっと言われ続けていた「通信と放送の融合」が、技術の力でやっと現実味を帯びてきた段になって、新興のIT系企業たちが「うちらが通信と放送の融合をやります」としゃしゃり出てきた。これまで何十年とこの国のメディアを支配してきた既得権者にとって、それは耐え難い屈辱のはずです。(フジテレビが12%くらいライブドアに出資することになったとき、フジの重鎮たちは物凄い屈辱感を味わったと思います)

時計の針は巻き戻さねばならない。潰す時は一思いに。視聴率競争は繰り広げても、根幹の既得権を奪おうとする新参者に対しては、寄ってたかって潰しにかかる。「通信と放送の融合を進めるのは俺たちだ。この国の報道インフラを握るのは、絶対に俺たちだ。」
あの一週間の過激な報道を眺めていて、そんなマスコミの「凄み」を、垣間見た気がしたんです。あくまでも個人的な見解ですよ。

で、近況。

…なんですが、いきなりいろいろ書きすぎるのももったいないから、最近の暮らしぶりについては次回に書かせてもらいましょ。「近況と所感」じゃなくて「所感」だけになってしまいましたよ(笑)まあいいか。それじゃまた来世〜
posted by サイダー at 04:13| Comment(3) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月04日

商品の抹殺−第3のビール課税強化へ

ニーハオ、みなさん。やっとこさ修理に出したパソコンが戻ってきました。でも操作する気力が、無い。

さて本日はこちら。

年末の06年度税制改正に向けて、酒税の抜本改革に向けた議論が本格化し始めた。最大の焦点は、低税率・低価格で出荷を伸ばしているビール風味飲料の「第3のビール」に対する課税のあり方だ。財務省は、第3のビールを「税逃れの商品」とみており、ビールとの税率格差を縮める方向で検討している。(4日付毎日新聞記事抜粋)

現在「第3のビール」は「リキュール類」や「その他雑酒」に分類されているので、「ビール」に比べて酒税が3分の1程度(350ml缶の場合)で済んでいたわけですが、税制改正をして、「第3のビール」も、「ビール類」にしてしまおうと、こういう話だそうです。そうすれば税金を多く取れますからね。

財務省は、税収増加が目的ではないと言っているそうです。しかしながらこんな記事も。

酒税収入の減少傾向に歯止めがかからない。財務省が3日に発表した8月末の税収実績によると、今年4月から6月末までの出荷分の税収は4247億円で前期に比べて4.7%減少した。税額がビールより低く、小売価格も安いビール風アルコール(第3のビール)の販売が伸びる一方で、税収を支えるビールの消費が伸び悩んでいるためとみられる。(4日付日経新聞記事抜粋)

これを読んじゃうと、否が応にも税収増やす目的だろうなと思えてしまいますよねー。安さが売りのお酒なのに、増税で価格を釣り上げることになったら、いったい何が残るというのでしょうか。増税の程度にも因りますが、これはある意味商品の「抹殺」ですよね。

でも個人的には「第3のビール」増税には賛成です。ついでに「発泡酒」も増税しちゃえばいいのにと思います。値段が安いからという理由で、ああいう不味いもの(俺個人の感想よ)が出回りすぎるのは、嫌なんです。ビールをまねるだけで、決してビール以上ではない酒だと分かりながら、そういうものを飲む感覚ってのは、どうなんですかね。文化の破壊とは言わないまでも、なんとなく気持ち悪さを感じます。

余談ですが、谷間になっている「発泡酒」はどんどん売上を落としているようです。長瀬のやってる「マグナムドライ」のCMを見ているとそれがよく分かる。もう完全にインパクトだけだし、「直感型」とか、およそ酒の宣伝とは思えない文句を使っています。おまけにラストで「発泡酒」の表示をすぐに他の文字で隠してみたり(笑)。「第3のビール」の登場で、売るのが本当に難しくなったなと思います。「アベッ」て感じです。

さてしばらくは、財務省の動きに対するメーカー側の反応を注視することにしましょう。それではさようならー。
posted by サイダー at 14:04| Comment(4) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月27日

効果的な情報戦略−携帯音楽プレーヤー競争

ナマステー、みなさん。楽しく生きてますか。

今日はこんなニュース。ちょっとネタの鮮度は落ちますが…

ソニーは8日、年末商戦に向けたデジタル携帯音楽プレーヤーの新商品として、「ウォークマンAシリーズ」5機種を11月19日に発売すると発表した。米アップルコンピュータも同日、超薄型の新機種「iPod(アイポッド)ナノ」(容量4ギガバイトで2万7800円)を国内発売しており、競争は激しさを増しそうだ。(8日付時事通信社記事抜粋)

結構時事通信は中立的に書いてましたが、他の新聞ではですね、

「アップルVSソニー、携帯プレーヤー2強激突」(9日付日本経済新聞)
「携帯音楽2強、新商品で激突」(9日付朝日新聞)
「携帯音楽プレーヤーで2強激戦」(9日付読売新聞)
「携帯音楽プレーヤー 2強対決くっきり」(9日付産経新聞)

という具合に書いております。ここで気になるのは「2強」という言葉。

確かにこの分野においてのシェアは、1位アップル、2位ソニー。まあ2強ということはできそうですが、その数字を見ると42%対15%(前出時事通信社記事より)と、結構な開きがあるんですよね。しかも三番手の「リオ」という会社とソニーとの差は一ケタ台と、実はアップル‐ソニー競争よりもずっと肉薄している状況です。

そんな中思うのは、「ソニーが、この分野ではソニーとアップルが『2強』なのだと、消費者に感じさせるような情報戦略をとった」ということです。

具体的には、「アップルの新製品発売に合わせて、新商品を発表したこと」。

マスコミは対決モノが大好きです。1位と2位の両社のアクションのタイミングが近ければ、「2強全面戦争」みたいに盛り上げたり、戦略の比較や商品の比較など二つを比較しながら面白く記事が書けます。ソニーしてみれば、時期をずらして新製品の発表をすれば、きっと自分が主役の記事内容になったでしょう。しかし、敢えてタイミングを合わせることで、アップルの宣伝にもなってしまうけれども、「2強」のイメージを消費者に植え付けることができます。「携帯プレーヤーはアップルかソニーだよな」と一度消費者に思わせれば、その後のマーケティングはぐっと楽になりますよねー。

逆に三番手のリオとしてみれば、ソニーにしてやられた形になるでしょうか。実力以下の評価を受けないためにも、早めに消費者にアピールする必要があるでしょう。
もちろんこれは僕の勝手な推測ですけども(笑)

もっとも僕は簡単に「2強」にはなびきませんよー。今使っている愛機「TORICA」は、名も無い「東海理化販売」というところの製品ですが、大変おすすめです。ちょっとどころじゃなく宣伝行為ですが、最後にそこのHPのっけて〆めさせていただきます。アニョアセヨー。

東海理化販売→ http://www.torica.com/ 
posted by サイダー at 09:39| Comment(7) | TrackBack(2) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月27日

会社は経営者のもの。ワールド東証撤収へ。

ライブドア対フジテレビ以降「会社は誰のものか?」が話題になりましたが、どうやらワールドの論理では、「会社は経営者のもの」のようです。

えーこんにちは。台風も去って今日はいい天気でしたねー。

ワールドという会社が、11月にも株式を非公開にして東証から撤収する見込みであるというニュースが報じられました。経営陣が株式を全部買い取るんだそうです。

無知な僕は、「ワールドって何じゃ?愛川欽也?」とか思ったのですが、実は非常に近しい企業でした。アパレル系。「アンタイトル」「インディヴィ」「タケオキクチ」なんてブランドは若い人には馴染んだ名前であると思います。

株式を上場すれば資金調達が比較的容易になりますし、世間の目にもさらされますから良くも悪くも知名度は上がります。そのかわり、会社経営は常に株主たちに監視されますし、カネを積まれて乗っ取られる可能性もある。非公開化はその逆のことが効果として挙げられますかね。資金・知名度で不利だけど、経営者の好き勝手にやれるし、買収を確実に防げます。

新聞なんかで盛んに言っているのは、「ワールドは上場によって資金も知名度も手に入れて軌道に乗った。おいしいところはいただいたので、また閉じこもってオーナー一家で好き勝手やりたいのだろう」というようなことです。まあ多分その通りでしょう。

さらに言えば、株主の相手をするのが面倒になったのかもしれません。最近は株主総会で外国のファンドやら個人株主やらの発言が増加しているし、株主重視の総会運営や増配が声高に求められているという流れがあるようです。はっきり言ってコストがかかるし、めんどくさい。

サントリーやミツカンのような立派な大会社でも、ずっと非上場のところはあります。「三流の国民が三流の国家を作る」ということが日本についてよく言われていますが、もしかしたら「三流の株主が三流の企業を作る」というふうに考えて上場しないでいる経営者も多いのかもしれません。なにしろ株式上場している会社なんて、数ある企業のうちのほんの数%ですからねー。

まあ全く別の可能性として、本気で買収にびびって引っ込んだだけなのかもしれませんがね。

ワールドが今後どうなっていくか、すごーく長い目で見守っていきましょう。
posted by サイダー at 22:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月08日

「Shibaura Island」―「共有意識」いかがっすか。

七夕の日でした。短冊には「視力が回復しますように」とお願いをしました。もしくは眼球を取り替えたいです。

スマップが宣伝やっている「Shibaura Island」、日本語で「芝浦の島」。明日ショールームがオープンするんだそうです。僕はマンションなんて買えるだけのカネを持ってませんから良くわからんのですが、果たしてあの物件は魅力的なんでしょうかね。

島らしきスペースにどかんとマンションが建って、大型スーパーはもちろん、その他のショッピング施設や飲食店もコンビニも作るらしいです。さらに共働きの世帯が増えてきていることに配慮して幼稚園・保育園、高齢社会ですので福祉施設も作るという。ああ充実。

さらに素晴らしいのは、ここの居住者は「島民」という意識で結ばれ、共有意識が生まれるんだそうで。「ホントかよ」って感じですが、これはありうるかもしれません。

機能性を持つ建造物しかない空間では、そこに用のある人はひたすらその用事をこなすだけ、用のない人は通過してどこかに行ってしまいます。逆に空間内に遊びのスペースがあれば、無目的にそこに留まる人も現れる。人と人との接点が生まれやすいわけですな。密集した集合住宅は前者、「島」はマンションの周辺にかなりゆとりを持たせてますので、後者と言えるのかな。

それにしても、不動産業界に共有意識づくりを助けてもらわなきゃいけないなんて、不思議な世の中になりました。マンションの売り文句で「共有意識が持てます」なんて言われちゃうのも、よく考えるとうちらが相当病んできてる証拠じゃないかしら(笑)

まあどうであれ、仮に僕に十分なおカネがあっても「島」には住まないでしょうねー。だって「島」を囲む海だの川だのの水が汚すぎですもん。泣きたくなるくらい汚いよ。そんなものに囲まれて暮らしたくなーい。ショールームはその辺再現してないと思うんで、皆さん気をつけましょう。
posted by サイダー at 04:48| Comment(7) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月29日

株主総会の新時代。

株主総会の季節がやってきては、通り過ぎていきます。

ここ最近の株主総会の様子を取材した新聞記事によると、一般投資家の参加が増えてきて、ばんばんと経営者に対して質問をしているとのこと。一般投資家というのは、まあカネを持っているおじさんおばさん連中のことだと思っていただければ。

これまで適当に株主総会を行ってきた企業・経営者は、この新しい流れに対応するのに苦労をしているんだそうです。かつては株主総会なんてお飾りに過ぎず、始まってから一度も質問など出ることなく、全て「異議なし」の掛け声で済んでいた。と、そんな会社も多かったようです。会社によっては、開始十分で終了、なんてこともあったり。

どうしてそれでうまくいっていたのかと言えば、ひとつには総会屋があります。会社に不利な質問をする人を妨害し、無理やり総会を進行させる用心棒的な総会屋。逆に(とも言いにくいですが)会社に不利なネタを突きつけて、「総会でおとなしくしていてほしいなら…」と金品をゆする総会屋。いろいろいますが、そういう人たちが仕切る株主総会なんて怖くて行けたもんじゃないし、行ったとしても何も言えずに帰ってくるだけですから、自然と足は遠のきますわな。

それでも数年前、彼らと企業とが関係を持つことが一般的に非難されるようになりました。これで徐々に流れが変わってきたのかもしれません。

うまくいっていたもうひとつの理由は、株の持ち合いです。信用できて仲の良い会社に自社の株を持ってもらう。反対に自分も相手の株を持ってあげる。そうすれば外部からの買収を防げますので、経営は安定します。その上、お互いに株主としての権利を行使しない、もしくは体制側に従うように約束をすることで、経営者サイドの意のままに話を進めることができるわけです。どうせ株主の大半は味方なので、監視機能なんかろくに働かず、結果株主総会も適当になるわけです。

それでもバブル崩壊によって株価が一気に下がると、仲良し会社の株を持ってあげる余裕がなくなってきます。だって、今まで時価総額100億円だったものが、5億円とかになっちゃう状況だったわけで、このまま株の持ち合いを続けることが自社の経営に深刻な影響を与えることになりました。その結果、持ち合いをやめる企業が増えた。そして手放した株が市場に流れ、それが一般投資家たちの手に渡ったという形でしょうか。

総会屋と株の持ち合いという二つの柱が崩れ、一般投資家にやっとチャンスが回ってきたのが近年だと言えるかもしれません。さらにインターネットによる取引も年々増加し、一般人が株に手を出しやすくなりましたよね。

この間書いた「環境への配慮」とかコンプライアンスとか、いわゆるCSRが頻繁に言われる世の中になりました。そういう会社の自主的な取り組みも大切ですが、会社の行動をチェックする一番の存在はやはり株主です。健全な会社組織の運営のために、一般投資家の厳しいチェックが入る株主総会になったというこのニュースは、とても好ましいものといえるでしょう。

新しい流れに苦労している経営陣も、これからはもっと株主総会に注力する必要があります。質問にしっかりと答え、しゃべりでばっちり株主たちにアピールできなくてはいけません。総会の演出から社長のトークまでしっかり教える「株主総会コンサルタント」なんて人たちが脚光を浴びる日が来るのは、もうすぐだと思います。
posted by サイダー at 05:41| Comment(6) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月25日

菜々子もなかなかやるじゃないか。

環境についての「新しいスタンダード」を打ち出すことで、商品の強化を図る動きがあるようです。

生茶のテレビCMを見た人はいらっしゃいますかね。
皆で「うれしいことは〜」とか言ってるやつじゃなくて、パンダがペットボトル潰して「ペコロジー」とか言ってるやつです。

ペットボトルが潰しやすいということは、それだけ体積が小さくなりますから、リサイクル業者にとっては非常にありがたい話です。仮に体積が3分の1になれば、それまでトラック3台で回収していたものが、1台で済んでしまう。圧倒的なコスト削減です。それと同時に、ペットボトルに巻きついている商品説明のビニールも、潰すことで取りやすくなる。リサイクルの過程でいずれ分別しなきゃならないものですから、これを家庭でやっておいてくれれば、業者としてはどれだけ手間が省けることか。

僕はあんまり松嶋菜々子が好きな方じゃないんですけど、まあようやったなと(笑)。ホントはキリンビバレッジの研究者に言うべきところですが。

同様にサントリーのデカビタCも、近い将来はがしやすい商品ラベルを採用するようです。これもビンとビニールラベルとを分別する手間の削減につながります。もちろん一般消費者に「はがそう」と思わせるためにはもうひとひねり必要なんですが。

いずれにせよこれらは、「潰しやすいお茶が環境にやさしいお茶だ」とか、「はがしやすい栄養ドリンクが環境にやさしい栄養ドリンクだ」とか、自分たちで新たな環境配慮のスタンダードを打ち出すことで、その商品力の強化・差別化を図っている例と言えるのではないでしょうか。今ますますこういう話は出てくると思います。

まあ実もふたもない話をすると、これは全部株主の機嫌を取るためです。今大変多くの企業が、国際規格ISO14001に基づく環境マネジメントの認証を得ていますが、その認証を維持するためには、毎年毎年「環境にやさしい事やってまっせ」という実績を示さないといけません。でないと資格剥奪です。そうなると株主の信用を失うので、何とか頑張る。それだけの話です。だから別に、うちらが実際にその商品を買ったときに「しっかり分別しよう」と思うかどうかなんて、気にしてないと思いますよ。

もはや環境に配慮しない会社はカス扱いされるような世の中になってしまいました。それにしても、いったいいつからこんなに環境が重視されるようになったんでしょうか。
それはまた、別の機会に触れたいと思います。あでゅー。
posted by サイダー at 11:23| Comment(6) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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